「がん(悪性新生物)」は年齢を問わず、誰でも罹患する可能性のある病気ですが、20代など若い方の場合、身近に感じ難いのではないでしょうか。
年齢を重ねていくうちに、がん保険に加入した方が良いのか迷う人が増えていきます。
そこで本記事では、「女性向けがん保険」についての詳細や必要性、加入することで受けられる保障について解説します。
女性向けがん保険とは
日本人の死因第1位である「がん」。
高い発症率を持ち、先進医療が必要となるため治療費の負担が大きいことから、がん治療に特化した「がん保険」という保険商品が生まれました。
女性特有のがんには、乳がん・子宮頚がん・子宮体がん・卵巣がんなどがあり、中でも「乳がん」は女性の死因第5位となっています。
このような女性特有のがん治療に対してさまざまな保障を受けられるのが、「女性に特化した保険」です。
女性向けがん保険は掛け捨てタイプがほとんどで、がんに罹患した場合にかかる入院や手術などの治療費、がんと診断された時点で受け取ることができる給付金もあるので、治療に専念できるというメリットがあります。
それでは、女性向けがん保険で受けられる保障について、詳しく説明していきましょう。
女性向けがん保険で受けられる保障
女性向けがん保険で受けられる保障は、主に以下の4つです。
- がん診断給付金
- がん入院給付金
- がん通院給付金
- がん手術給付金
本記事では、東京海上日動あんしん生命の「がん治療支援保険NEO[無配当]」を例に挙げて説明します。
1.がん診断給付金
がんと診断確定された場合、入院給付金の日額によって一定額の一時金が給付されます。
一時金を受け取ることで、当面の治療費や先進医療費など、がん治療でかかると予想される高額な医療費の準備への不安を和らげられるでしょう。
がん治療支援保険NEOでは、入院給付金日額が1万円の場合、100万円のがん診断給付金が支払われます。
「悪性新生物初回診断特約」を付加した場合には、初めてがんと診断された1回限りですが、さらに100万円が上乗せとなり、合計で200万円の診断一時金を受け取れます。
2.がん入院給付金
がん治療で入院した場合、入院1日目から日数分の給付金を受け取れます(日数無制限)。
3.がん通院給付金
がん治療において入院前後に通院した場合、1回の入院につき一定の日数分の通院給付金を受け取れます。
がん治療支援保険NEOでは、1回の入院につき45日までの給付となります。
4.がん手術給付金
がんの治療で手術・放射線治療・薬物療法(抗がん剤治療)などを受けた場合、がん手術給付金を受け取れます。
がん治療支援保険NEOでは、「がん先進医療特約」を付加した場合に、公的医療保険ではカバーされず、全額自己負担となる先進医療費も補償されます。
女性向けがん保険の必要性
がん治療で通院・入院・手術が必要となる場合、他の病気の治療と同様に、公的医療保険制度で治療費の自己負担額は3割で済みます。
ところが、がんの先進医療は公的医療保険の適用外になってしまうため、自己負担金は高額になります。

「先進医療」とは、高度の医療技術を用いた治療法や療養のうち、公的医療保険の対象にできるかどうかを評価している最中の医療技術のことです。
がん先進医療特約では、先進医療にかかわる技術料が2,000万を限度に保障されるので、高額な治療費に備えることができます。
ここからはいくつかのデータを用いて、女性向けがん保険の必要性について説明しましょう。
がん罹患率【年齢別・男女別】
厚生労働省によると、平成30年における年齢・男女別のがん罹患率は以下のようになっています。
【年齢・男女別がん罹患率(上皮内がんを除く)】
性別/年代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 |
男 | 0.3% | 0.8% | 2.7% | 7.4% | 24.2% |
女 | 0.6% | 2.6% | 8.7% | 11.9% | 19 .6% |
参考:平成30年「全国がん登録 罹患数・率 報告」|厚生労働省
性別に関係なく、年齢に比例してがんの罹患率は増加していきます。
男女別で見てみると、50代までは女性の方が、がんの罹患率が高いことがわかりました。
これは、乳房や子宮など、女性特有の部位でがんが発生する可能性があるからです。
がん疾患にかかる費用
次に、女性特有のがん治療にかかる費用を見てみましょう。
【女性特有のがん治療にかかる入院・通院費用(1件あたり)】
疾病名 | 乳房の悪性新生物 | 子宮の悪性新生物 | |
入院 | 平均費用 | 約57.2万円 | 約63.3万円 |
平均日数 | 約9.4日 | 約10.4日 | |
自己負担額(3割) | 約17.2万円 | 約19.0万円 | |
通院等 | 平均費用 | 約5.4万円 | 約2.9万円 |
平均日数 | 約1.7日 | 約1.5日 | |
自己負担額(3割) | 約1.6万円 | 約0.9万円 |
参考:「医療給付実態調査」報告書平成30年度|厚生労働省
乳がんと子宮がんでは、入院で約17万~19万円、通院などで約1万円前後の自己負担金が必要です。
ホルモン剤や抗がん剤治療などが必要になる場合も多く、治療期間が長引いてしまうこともあります。
先進医療を用いた場合には治療費は高額となり、そのすべてを自己負担しなければなりません。
このように、がんに罹患した場合は高額な治療費がかかることを想定しておきましょう。
特に女性の方は、女性特有の部位にがんが発生する可能性もありますので、がん保険に加入しておくことをおすすめします。
まとめ
日本の国民病ともいわれているがんは、医学の進歩とともに早期発見・治療で治る病気になってきました。
ただし、高額な治療費がかかることは覚悟しておく必要があります。
調査データによると、女性のがん罹患率は、40代以上で急激に高くなりますが、20代でもがんになる可能性はゼロではありません。
そのため、年齢に関係なくできるだけ早めにがん保険への加入を検討しましょう。

医療技術の進歩により多様化するがん治療に特化したがん保険も新たに発売されています。
くわしくは、髙松まで!